6月度月例会を開催しました

6月20日~21日に月例会を開催し、アツモリソウの生育する草地の保全作業を行いました。
小雨の中で作業していただいた皆さん、ご苦労様でした。

この時期、カモメランを見に大勢の方が訪れますが、カモメランも他の山野草同様に開花が早く、今年は花数が多かったように思います。
せっかくきれいなカモメランを観賞できる喜びも、心ない一部のカメラマンによって、群生地手前の草がむしりとられたり、踏み固められたりして、ダメージを受けてしまった場所がありました。
自然公園保護官に状況報告と対策について報告をして、回復養生のため立入禁止のロープを張り、保護対策の理解と協力をお願いするメッセージを発信することにしました。

ダメージを受けてしまった草地
立ち入り防護対策を施行

花は咲いていなくても、周囲には幼株の葉があり、また、地中には葉を出す前の幼根だけの株も成長を続けています。
今々開花している花の写真を撮るため、気付かずに、将来咲く花を踏みにじってしまっているかもしれません。
踏み固められたダメージは、回復するのに何年もかかります。
また、損傷を受けた植物は回復できずに終わってしまうかもしれません。
自然を損傷してまで自分好みの状態にしてしまい写真を撮るのではなく、自然をそのまま撮ってほしいと思います。

国立公園内では、許可なく歩道以外に立ち入ることや、植物を損傷することは、自然公園法で禁止されていることも理解して、みんなが楽しめるような環境として維持していけたらいいですね。

アツモリソウも長年にわたる盗掘で激減してしまいましたが、少人数の保護活動で守られてきた株も、頂上付近まで侵入してきたニホンジカによって食害の被害を受ける事態となり、柵で囲ったりせざるを得なくなっています。

また、数が激減したことで他の植物が勢力を拡大して、ササ、カリヤスモドキ、テンニンソウ、クマイチゴ、ヤマドリゼンマイといった植物が、草地を単一化してしまいかねない状況になっています。
これらの脅威植物を許可を得て除伐したり、人間が植えたのをきっかけに大きく成長し、ひどい場所では間伐も必要なくらい林を作ってしまってきているカラマツの下枝を払ったりといった保全作業に、繰り返し人出をかけざるを得ない事態です。
そのような保護活動によって、希少植物アツモリソウをはじめとして、多様な植生が維持されていることを皆さんにご理解いただき、ご協力していただきたいと思います。

囲われているアツモリソウの花の写真を撮るために、草地に入り込んでいる形跡も何か所かで見られますが、ラン科植物は地中でラン菌と共生していて、ラン菌がいないと発芽できず、成長もできません。
発芽しても地上に葉を出すまでには何年間、さらに花が咲くまでに何年間もかかります。

本来の自然界では人間が花の周りに立ち入ることはなく、花の周りを踏み固めることで花にとって重要なラン菌等の土壌菌にダメージを与えてしまいます。
歩道から草地に入り込んで、咲いている花の周りに近づきすぎないようにすることが、保護活動の第一歩だということをあらためて認識した年になりました。。

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