国際ワークキャンプ経験談(スイス)
■ 『スイスでの3つのワークキャンプ』(2008年)
私は3つのワークキャンプに参加しました。
まずスイスのSCIの全体的な感想としては、毎年SCIボランティアを受け入れているところが多かったためか、あまり大きな問題は起こりませんでした。
ボランティアの人達も本当にヨーロッパ各国から来た人達だったので国際色豊かなボランティア活動だったと思います。
また、スイスのSCIに参加すると、sleeping listというホームステイの受け入れがOKなSCI会員の連絡先がもらえます。各ワークキャンプの間に1週間~10日間の間があったので、
事前に連絡していたところにホームステイさせていただきました。
これは次のワークキャンプを待つ人だけでなく、もう少し長くスイスに滞在して観光したい人でももらえます。普通に1週間スイスのユースに泊まってもかなり費用がかさむと思いますし、スイスの家庭の雰囲気を知るのにとてもよかったと思います。
私は2軒、どちらも年配の方の所へ泊まらせていただいていたのですが、とても親切にしていただき、本当に良い思い出ができました。
また、他のSCIではどうなのかわかりませんが、一日2スイスフランが1人につきもらえたので、それを使って休日に街にでかけたりしやすかったのもよかったです。何せスイスの物価はやはり高かったので・・・。
ちょうど夏休みの時期ということもあり、多くの学生が参加していたのですが、やはりヨーロッパの人が多かったので、たくさんの人が日本の文化などについて興味を持ってくれ、
それに答える私も、良い意味で日本人の代表としての責任を感じました。
このように多く国際交流も行えて、有意義な時間を過ごせました。
以下は各ワークキャンプの報告書です。
CH-6.1 Jardins de Cocagne, Drize (Geneva)
29/06 – 14/07/2008
8 volunteers
参加者はチェコ共和国、スペイン、ロシア、ポーランド、日本とスイスのコーディネーターでした。
Jardin de Cocagneという有機農場で、主に農作業全般を手伝っていました。毎年SCIボランティアを受け入れているようです。
各ボランティアがテントを持参し、畑の近くで生活しました。
農作業自体は夏だったこともあり、かなりハードだったのですが、その分休みを多くもらっていたように思います。
週のうち2日間は8時間働いて、3日間は午前中だけ、土日は休みでした。
受入先の担当の方からは、Jardin de Cocagneのシステムについて詳しく教えていただき、とても興味深く、他のメンバーたちと一緒に農場を回りながら聞いてました。
ここでは前払いで野菜の代金を払い、毎週1回、1週間分の野菜を取りに来るというものです。この農場では、収入の少ない人は年に数十回農家に手伝いに来る代わりに代金の割引をしたり、毎週2~3回来て働くことで、野菜を無料でもらえるそうです。その他収入によって野菜の値段に差をつけるなど、どのような家庭状況の人でも有機野菜が手に入るような工夫がなされていました。
実際にボランティアしている時も、スクオッター(無断居住者)の人に会ったり、元囚人の人や、ホームレスも労働者として受け入れているようでした。
食事はいつも有機野菜を畑から収穫して調理したり、パンやチーズ、肉類はいつも買い物リストをボランティアで書き、担当の方が買いに行って提供していただいていました。
調理は自分たちで行いましたが、みんな張り切って自分の国の料理をふるまっていたので、様々な各国の料理を食べられたのがとてもよかったです。
休日はジュネーブの中心地までバイクで40分程度だったので、みんなで街まで出かけていました。バイクを人数分用意していただけたので、バスの運賃も高いスイスではかなり助かりました。
ジュネーブの街は毎日のように夏のイベントが行われており、パレードや野外ステージ、
その他にも数多くの美術館やショップなど、スイスの雰囲気を知ることができるアミューズメントが多くありました。普通に街を歩いていても、国際色豊かなこの国が見て実感できました。コーディネーターのお姉さんが国連でインターンをしていたこともあり、メンバー全員では国連本部に赴き、彼女に案内してもらいました。その後に赤十字美術館に行ったり、UNHCRの建物の前を通ったり、国際協力に興味のある私はかなり満足でした。
CH-6.7 OEKOTOPIA (Uettligen)
21 July – 05 August 2008
8 Volunteers
有機製品を販売するProNaturaが主催する、会員の子ども達のための夏休みキャンプで、テントの設営・遊戯の組み立てやキャンプ中の料理を行うものでした。
広い空き地でのキャンプだったので、SCIボランティアもテントで生活をしました。
1テントに2人だったので、少し狭かったですが、、天候に恵まれていたので特に問題はありませんでした。
こちらも参加者はスペイン、チェコ共和国、スイス、私日本でした。
それ以外にも各地から150人の子どもが参加していたので、地域毎に班分けがされており、
1チーム約3~10人に着き、大人のリーダーが1~2人ついていたので、スイス人のボランティアの方もかなり多くいました。
私達SCIボランティアは料理担当だったので、リーダーの人達と同じ活動をするのは
キャンプ開始前のテント設営と終了後のテントやの片付けでしたが、
テントの近くにボランティア用のテントバーが設置されており、普段は夜までテントで
他のボランティアの人達とも話せる機会がおおかったので、とても楽しかったです。
スイスの公用語がフランス語だったり、西の方から来たボランティアの方はフランス語だったりしたので、
英語やフランス語、スイスドイツ語が飛び交い、スイスらしさを感じました。
ボランティア内容はテント設営では、団体の役割分担などの内部構造に問題があったようで、
準備がはかどらず、夜遅くまで働いていることもあったのですが、
他のボランティアの人が話をしてくれて、子ども達のために料理を作る活動では
SCIボランティア担当者が変わったこともあり、かなり活動しやすくなりました。
詳しくいうと、料理当番を交代制にして、それぞれが休憩する時間を設けました。
毎晩のように大人用のテントバーでは関連する団体のプレゼンテーションや、
催し物があり、SCIスイスの方も来てSCIの説明を行っていました。
私達SCIボランティアも、各国の特色をプレゼンする時間をいただきました。
私はジブリの映画と芸者のDVDを持っていたので、
それを流しながら、日本の文化について説明しました。
近くにスイスの首都ベルンがあったので、休日はSCIメンバーで外出したり、子どもリーダーのボランティアの人達も誘って街に出かけていました。
本当に良い人達ばかりで、メンバーも全体的に仲がよく、一番楽しめたワークキャンプだったと思います。
CH-3.1 Mixed Age Camp – Peace Village, Broc
10/08 – 22/08/2008
12 volunteers, mixed age camp
これは子ども連れのボランティアも参加可能なキャンプだったので、4人が子供連れでした。
人数も多く、参加者もフランス、スイス、スペイン、スロベキア、ドイツ、ノルウェーと
様々でした。
この平和村というのは子ども向けに平和や暴力についてのワークショップを行っており、
宿泊用の建物と広い空き地があり、毎年SCIボランティアの人達に
家や庭、空き地の改装をお願いしているようです。
平和村でのワークショップに来る人や子どもたちのために、共同寝室があったので、
ここがスイスのキャンプの中で一番宿泊施設が整っていました。
ちょうどペアで部屋を使う人がいなかったので、一人部屋で生活していました。
共同生活(特にテント内)に少し疲れていたので、一人の時間が持てるという意味ではとても快適でした。
ボランティア内容は、庭の整備だったのですが、かなり肉体労働で、男性がほとんどやってくれました。
女性は除草をしたり、部屋の掃除をしたり、料理当番のときにはりきったりして何かしら活動は行っていました。
料理は自分たちで作っていたので、いつものように色々な世界の料理を食べることができました。スイス人のボランティアや、平和村で働いている人もいたので、
ラクレットというチーズを使ったスイス料理を2回も食べれたので幸せでした。
小さい子どもを持った人も多かったので、昼寝など、子どもの面倒をする必要があることが
多いようだったので、ちょうどよかったかもしれません。
私はあまりあることがないときもありましたが、子どもも合わせて14人いるとすぐ食料がなくなってしまうので、買い物などを手伝っていました。
一部であまりボランティアをせずに休んだり、勝手にどこかにいってしまう人達がいたので
ボランティア同士で少しもめていましたが、全体的には受け入れ団体が思っていた以上に
やる気のあるボランティアの人が働いたので、すごくはかどったようです。
そのあまり働いていなかった人達によると、他のSCIのような団体の紹介でいった他のワークキャンプではもっと休む時間があり、午前中だけ働いて午後は自由などだったそうです。確かに、いつも8時半に起きて朝食を取り、終わるのは5時半くらいだったので、肉体労働をする人達にとってはかなりしんどい活動だったかもしれません。
他の団体のワークキャンプに参加したことがないのでよく知りませんが・・・。
平和村の団体自体については、受入先がワークショップを準備してくれ、
みんなで平和や暴力について考えるワークを行いました。
笑ったりする感じよりは真面目な感じでしたが、暴力をふるう子ども向けに相手がどう思うかを感じてもらうワークショップだったので、子ども向けのわりにすごくレベルが高いなと感じました。
余談ですが、コーディネーターのスイス人が日本語を上手に話せて日本が大好きな人だったので、母国語を使うことが全くといっていいほどなかった中、よい気分転換になりました。
色々な国の人達と話すのは楽しいのですが、やはり現地の人やボランティアの人とずっと
母国語ではない言語で話し、生活し続けるのは大変だなぁと感じました。
まとめですが、スイスは良い思い出がたくさんあり、とても楽しめました。
物価の高いスイスでこれだけあまりお金がかからずに生活できたのは正直びっくりです。
出会ったスイス人の人々も優しい人ばかりで、この国がとても好きになりました。
また他のSCIボランティアの人が行ってもきっと楽しめると思います。
英語やフランス語で会話する機会が多かったのですが、やはり自分の言語能力も
もっと高めてもっとスムーズにコミュニケーションできるようになろうと思いました。
それと、日本についてはやはりあまりメディアから見る情報やイメージしかないので、
自分の性格なのに「日本人はこういう人なんだ!」というふうに思われていたりして、
自分一人ひとりの行動や振る舞い、接し方も海外では気をつけて、もっと日本の印象が良くなるようにありたいな、と思いました。
長くなりましたが、とても貴重な経験をさせていただいてどうもありがとうございました。
■ 『スイスの国際ワークキャンプ』
キャンプ名:Jardins de Cocagne ,Drize(Geneva)
期間:2008年6月29日(日)〜7月14日(月)
場所:スイス、ジュネーブ郊外の農場
参加者数:8名(スイス、ロシア、チェコ、スペイン各1名、日本、ポーランド各2名)
ワークキャンプが行なわれた農場は、30年前に作られた生産者と消費者の協同組合”Jardins de Cocagne”の農場です。組合員の数は約400名で、みなさんジュネーブやその近くに住んでいるそうです。農場では、野菜や果物を有機栽培で生産している他、しいたけの原木栽培をしたり、穫れたブドウでワインを作ったりもしています。収穫した野菜は毎週1回会員に届けられます。遠隔地に出荷するのではなく、生産したのと同じ地域で消費する『地産地消』が行なわれているのです。農場で専従で働いている人は6人いるのですが、その人達は農場に住んでいるのではなく、各自の家から毎日農場に通ってきて作業をしています。その他、組合員は年に2回以上農作業をする決まりになっているので、時々一般の組合員の方々も農作業のために農場に来ます。ワークキャンプ中は、そういう方々と一緒に作業をしていました。
農場には、台所と食堂を兼ねた小屋がありますが、宿泊施設はありません。したがって、ワークキャンプ参加者は各自が持参したテントの中で寝袋にくるまって寝ていました。小屋にはガス(プロパン)や水道はあるのですが、電気が来ていないので、暗くなるとランプを使っていました。まさに、2週間の「キャンプ生活」を送っていたわけです。また、トイレやシャワーは屋外にあり、それぞれ“すだれ”でまわりを囲っただけの簡素な作りでした。トイレは地面に穴を掘って足をのせる板を置いてあるだけ、シャワーは冷たい水しか使えませんでした。そんな、今まで参加したワークキャンプの中で最も簡素な生活環境でしたが、僕自身にとってはそれで充分でした。もともとアウトドアレジャーや長旅が好きなので、テントで寝る夜が数週間続くのは苦にはならなかったし、毎日水シャワーしか浴びられないのも、長旅をしていれば当たり前にあることですから馴れたものです。むしろ、寝る時や自由時間に自分のテントでひとりで過ごす時間を持つことができて良かったと思います。
ワークの内容は農作業の手伝いです。主に草取りをしていましたが、手だけで草を取るのではなく、場所によって機械や道具をうまく使いながらやっていました。長時間手で草取りをやっていると、疲労が大きいだけでなく、腰が痛くなってくるものです。道具の活用によって、腰の痛みを軽減できてよかったと思います。日によっては、野菜の収穫や苗の植え付け、種まきをする日もありました。天気のいい日は屋外の畑で作業をし、たまに雨が降る日にはビニルハウスの中で作業をしていました。屋外での作業はいつも炎天下の作業となり、かなり暑かったので、常に水分補給を欠かさないようにペットボトルに水を入れたものをたくさん持って畑に行っていました。暑いのは大変でしたが、天気はいいし景色はいいし、気持ちのいいワークでした。
ワークの時間は、月水が午前と午後4時間ずつ、火木金が午前4時間のみ、土日がお休みというスケジュールでした。農場からジュネーブの街まで近かったので、午後のワークがない日には、みんなでよくジュネーブに遊びに行きました。ジュネーブの古い街を歩いたり、植物園や博物館(無料)に行ったり、湖で泳いだり、フラメンコショーを観たり(無料)、カフェでおいしいビールを飲んだりしていました。夕食の後もまだ外が明るいので(日没が午後9時過ぎ)、何人かでサイクリングに行く事もありました。自転車で農村を走り回ったり、国境を越えてフランスへ行ったりしていました。ジュネーブのような素敵な街が近くにあったり、自転車が農場に7台もあったりと、いい条件が揃っていたおかげで、空いている時間を楽しく過ごせて良かったと思います。また、土曜日にはみんなでハイキングに行ったりとか、国連のヨーロッパ本部に見学に行ったりもしました。日曜はFree Dayとしてそれぞれ自由に行動していまいした。
ワークキャンプ中の食事は、交替で毎日2人ずつ料理当番を担当して作っていました。穫れたての新鮮で美味しい野菜がいつでも豊富にあるし、パンやチーズや卵など農場の方が買って来てくれる食品もとても美味しものばかりでした。僕は食べなかったのですが、ウィンナーやハムなども皆さん美味しそうに食べていました。冷蔵庫はないのですが、それは問題ありませんでした。冷蔵庫はなくても生活は成り立つものです。毎日美味しい食事をたっぷりいただくことができて、とても幸せでした。木陰にテーブルが置いてあり、雨の時以外はいつも屋外で食事をしていましたので、気持ちよく食事をすることもできました。
ワークキャンプ中の使用言語は英語です。そのため、英会話の苦手な僕はけっこう苦労しました。ふたりきりで話をしているときはまだいいのですが、何人かで話していると、人が話している事が聞き取れなかったり、何を言っているのか理解できなかったりする事がよくありました。まあ、言葉が完璧にわからなくてもなんとか通じることもあるのですが、作業の手順など、きちんと理解しておかなければいけないような重要な事は、わかるまで聞き返したりしてはいました。1日中英語で過ごしているととても疲れてしまいます。そんな時の為にも、自分のテントに入ってひとりになる事ができてよかったと思います。
有機農業というと、長時間労働でほとんど休みも取れない大変な仕事と思っていました。実際、僕の知っている有機農家の人達は、程度の差こそあれ、だいたいそういう傾向にあります。ですが、この農場で専従で働いている方々は、週5日しか働いてなく(土日は毎週休み)、1日の労働時間は8時間程度で、さらに、夏には交替で2週間ずつのバケーションを取るとのことです。有機農業も、単に生産技術にこだわるだけではなく、生産から流通、消費までをトータルに考え、工夫することが大切ではないかと思いました。
パソコンでご覧の方はこちらをどうぞ。