『サイクロン災害復興支援プロジェクト』

 2007年11月、巨大サイクロン『シドル』がバングラデシュ南部を襲い、大きな被害をだしました。この度、SCI日本とSCIバングラデシュは、その復興支援プロジェクトを共同で立ち上げました。

 以下、その経緯です。

■ SCIバングラデシュとSCI日本

 1970年、当時東パキスタンであった現在のバングラデシュを襲ったサイクロン被災の救援活動以来、1990年代にかけて、SCIバングラデシュとSCI日本は親密な関係を築いてきました。SCI日本からは多数のボランティアがSCIバングラデシュ主催のワークキャンプに参加し、ともにボランティア活動を行ってきました。バングラデシュ南部ボリシャル地区モウドゥビには、当時のボランティアたちによって建設された道路が地元住民の主要道路として残るなど、今でも彼らの当時の活躍ぶりがうかがえます。

 しかしながら、その関係は2000年頃より疎遠となってしまいました。SCI日本内部のボランティア派遣形態の変質などにより、暫くの間派遣を見合わせていた為です。そもそもSCIアジア各支部との連携を基本活動方針の1つとしてきた  SCI日本にとっては、ボランティア派遣意志を特段失ったというわけではなく、派遣手段の変質による機会喪失というのが実情でありました。

 疎遠となった関係を近づけるきっかけとなったのは、またサイクロンでありました。

■ 巨大サイクロン『シドル』

 2007年11月、巨大サイクロン『シドル』がバングラデシュ南部を襲いました。この『シドル』は、バングラデシュ史上最大級のサイクロンであり、被害区域は広範に及び、全国64県のうち3分の1以上にあたる25県が被害を受けました。 900万人近くの人が被災するという、未曾有の大災害となりました。『シドル』による主な被害は以下の通りです。

・ 死亡者もしくは行方不明者4,234名
・ 家屋全半壊1,518,942棟
・ 塩害などの農地被害2,522,944エーカー
・ 家畜死亡数1,778,507
・ 道路崩壊8,075km
・ 橋梁崩壊1,687
・ 教育機関崩壊16,954
・ 堤防崩壊1,875km
・ 被災者8,923,259名

 『シドル』に対し、SCIバングラデシュは素早く対応しました。翌2008年の1月に『サイクロン被災地緊急救援国際ワークキャンプ』が行われ、SCI日本からの3名を含め、世界各国からのボランティアがこれに参加し、家屋とトイレの建設や井戸掘りの手伝いを行いました。その後、2月にも被災地にて復興ワークキャンプ開催されました。
 1月のワークキャンプにSCI日本からボランティアが参加したことが、SCIバングラデシュとSCI日本の関係を再び密なものにし、今回のプロジェクトに至るまでの直接的な第一歩となりました。
 2008年6月、SCI日本の長田がアジアでの海外長期ボランティアに行くことを希望したことを受け、SCI日本からSCIアジア各支部へ問い合わせたところ、すぐにSCIバングラデシュが反応しました。それと同時に両支部による共同プロジェクトの立ち上げが提案されました。

■ 共同プロジェクト立ち上げの為の現地調査

 プロジェクトを立ち上げる前に現地住民が抱えるより高いニーズを把握するため、SCIバングラデシュとSCI日本による合同調査が企画されました。そこで、SCI日本から長田と池田、SCIバングラデシュからアジャスの計3名が調査隊としてバングラデシュ南部ボリシャル地区内へ派遣される運びとなりました。ボリシャル地区は『シドル』の被害を最も大きく受けた地方のひとつでありました。調査の期間は10月13日〜11月4日で、『シドル』にて甚大な被害を受けたボリシャル地区内のランガバリ地方とモウドゥビ地方の中の12地域が対象となりました。

■2009年3月サイクロンの復興支援ワークキャンプ

 バングラデシュのサイクロン被災地で3月ワークキャンプが行われました。現地では今も尚、学校施設が不足している上に、サイクロンによって既存の学校施設も被害を受けたまま修復は行われていないものもあります。この度のワークキャンプでは、小学校の修復を行いました。