三ツ峠のシカの採食影響

今年の春に、山頂近くの林のヒロハツリバナが皮剥ぎの被害がはげしく、ニホンジカによる採食が懸念されセンサーカメラをしかけたところ、若い雌ジカが撮らえられました。
ヒロハツリバナの林に現れた若い雌ジカ
夏になってオオバギボウシの花がないことがわかり、8月には葉も採食され、部分的に裸地化してきているところも見られるようになってしまいました。
ここにもセンサーカメラをしかけておいたところ、深夜に雄ジカが採食している写真が撮れました。フラッシュの調整が悪かったのか画像はよくありませんが記録写真として掲載しておきます。
シカの採食圧を受けた草地
深夜に草地を採食する雄ジカ
希少動植物種であるアツモリソウは、周囲の環境がダメージを受ければ生息するのが難しくなると考えられていますので、単にアツモリソウの個体を守るのでなく、早急に草地全体をシカの採食から防ぐ必要があります。
三ツ峠の草地をはじめとした自然は、他に類を見ないほど多様性に富んでいるとも言われていますので、三ツ峠の自然を保全していく活動は、単にアツモリソウの保護だけにとどまらない重要な案件だと考えています。
オオバギボウシと同じ環境に生息するアツモリソウ
アツモリソウは、オオバギボウシの葉がまだ小さい頃にいち早く花を咲かせて、マルハナバチが受粉してくれるのを待つようです。花と共生関係にあるマルハナバチが多く見られることは、そこの植物生態系が豊かな証しだとも言われています。

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