FromScratch を用いて作られたアプリの共通設定について説明します。
FromSratch アプリにはいくつかの設定項目があり、たいていHelp メニューから変更できるようになっています。これらの設定項目は settings.ston というファイルに保存しておくことができます。
settings.ston ファイルは単なるテキストファイルで、JSONに似たSTONファイル形式で作ります。
例えば、dontClose という設定をオンにしたい場合、以下のような内容の settings.ston ファイルを作っておきます。
{#dontClose:true}
なお、settings.ston ファイルは、Pharo のイメージファイルと同じフォルダに格納する必要があります。
複数の設定項目を指定したい場合は、以下のようにカンマで区切ります。
{#projectDir:'{documents}/stelo',#useErrorCatcher:false}
settings.ston ファイルの設定項目は Help メニューの Settings からも変更できます。
なお、Help メニューの Settings では settings.ston ファイルで指定した設定項目しか表示されません。表示されない設定項目については、すべてデフォルト値が使用されます。
指定可能な設定項目
- dontClose
- keepMaximize
- language
- stickyWindow
- useErrorCatcher
- projectDir
- hideDebugMenu
- resizable
- fullscreen
- useSingleClick
dontClose
dontClose 設定を有効(true)にすると、ウィンドウの閉じるボタンとメニューの Close を無効にします。
Pharo 10 では閉じるボタンが無効にならないバグがあります。
利用できる選択肢は、true と false です。
keepMaximize
keepMaximize を有効(true)にすると、ホストOSのウィンドウの大きさにあわせて自動的にアプリケーションのウィンドウを最大化します。
利用できる選択肢は、true と false です。
language
language 設定項目はメッセージをローカライズするのに使います。
ローカライズには、事前に locale フォルダへロケール設定ファイルが格納されている必要があります。
例えば、ja.po という名前のロケール設定ファイルを作成したならば、language 設定項目に ja を指定することができます。
stickyWindow
stickyWindow を有効(true)にすると、アプリケーションウィンドウをドラッグできなくなります。
利用できる選択肢は、true と false です。
useErrorCatcher
useErrorCatcher を有効(true)にすると、ブロックの実行時にデバッグ用ダイアログが表示されなくなります。
利用できる選択肢は、true と false です。
projectDir
projectDir 設定項目は、プロジェクトの読み込みや保存の際のデフォルトディレクトリを指定します。
選択肢には、ディレクトリ名を指定できます。
なお、ディレクトリ名の中の {documents} は、システムのドキュメントディレクトリ名に置換されます。
hideDebugMenu
hideDebugMenu を有効(true)にすると、Help メニュー内の Inspect と Settings が使えなくなります。
利用できる選択肢は、true と false です。
resizable
resizable を無効(false)にすると、アプリケーションウィンドウの大きさを変更できなくなり、ウィンドウタイトルも表示されなくなります。
利用できる選択肢は、true と false です。
fullscreen
fullscreen を有効(true)にすると、ホストOSのウィンドウ環境においてアプリケーションの画面を最大化します。
なお、ホストOSによっては適切に動作しないことがあります。
利用できる選択肢は、true と false です。
useSingleClick
ブロックに結び付けられた機能を実行する際の動作を決めます。useSingleClick を true にするとシングルクリックで機能が有効になり、false にするとダブルクリックで有効になります。
利用できる選択肢は、true と false です。