GPD Win/GPD Pocketにxubuntu 16.04をインストールする

GPD Pocket(ubuntu版)を入手したのだが、起動が遅かったりイザという時に自分でインストールできないと困るので、いろいろと方法を試してみたところ、 https://apt.nexus511.net/ のビルドイメージがなかなか便利だった。GPD Winでも使えるようなので備忘として残しておく。

ISOイメージのダウンロード

https://apt.nexus511.net/
普段はxubuntuを使っているので、上記サイトの「Hotel Release Builds」の記事から Xubuntu 16.04.3 をダウンロードすると、以下のようなisoファイルが入手できる。
xubuntu-16.04.3-desktop-amd64_gpdpocket_2017-09-04.iso

ISOイメージのインストール

  1. rufusを使ってISOファイルをUSBメモリに書き込む(MBR Partition scheme for UEFI computers)
  2. USBメモリをGPD Win/GPD PocketのUSBポートに差し込む。
  3. 電源オン後にDelキーを押してBIOS画面に入る。
  4. 画面が横向きなのを気にせずに、左右の矢印キーでSave & Exitのタブに移動する。
  5. 上下矢印キーを使って下の方のBoot overrideの欄にある、UEFI: xxxxx, Parition 1のような項目を選んでEnterキーを押す。(xxxxxの部分はUSBメモリによって表示が異なる)
  6. 後はUSBメモリからブートしてUEFI起動画面になるのでインストールを行う。

なお、インストール中にカーネルが更新されるのを防ぐため、インストール中にアップデートしないようにする。
また、言語設定は日本語ではなく英語としたので、以下の説明に現れるメニューなどの語句は英語となっている。

起動後に行うこと

nanoからvim.tinyに変更する

nanoよりvim.tinyの方が好きなので、テキストエディタのデフォルトを変更する。
こちらの記事を参考にした。

  1. メニュー – Terminal Emulator を選ぶ。
  2. Terminal で以下を入力してEnterを押す。
    sudo update-alternatives --config editor
  3. 表示を見ると3番が /usr/bin/vim.tiny なので、3を入力してEnterを押す。

パスワード入力の抑制

sudoの後でパスワード入力するのは面倒臭いので、パスワード入力しなくても良いようにする。もちろん危険性は承知の上。
こちらの記事を参考にした。

  1. 上記に引き続いて Terminal で以下を入力してEnterを押す。
    sudo visudo
  2. 下の方に移って、 %admin の行の下に以下を入力する。(hogeは自分のid)
    hoge ALL=NOPASSWD: ALL
  3. 保存して終了する。

カーネルアップデートの抑制

インストールしたカーネルだと、特に何もしなくても起動時のコンソール画面が横長になりWifiもサウンドも問題なく使えるようになる。これを勝手にアップデートされては困るので更新されないようにしておく。

% sudo su
# dpkg --get-selections | grep linux-image
linux-image-4.10.0-28-generic                   install
linux-image-4.13.0-1-generic                    install
linux-image-extra-4.10.0-28-generic             install
linux-image-extra-4.13.0-1-generic              install
linux-image-generic                             install
linux-image-generic-hwe-16.04                   install
# uname -r
Linux gpdwin 4.13.0-1-generic #gpd SMP Sun Sep 3 21:37:10 CEST 2017 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

上記のようにカーネル関係のパッケージを表示させた。unameで4.13.0のカーネルが使われているので、とりあえず以下のようにして更新されないようにした。

echo "linux-image-generic hold" | dpkg --set-selections
echo "linux-image-generic-4.13.0-1-generic hold" | dpkg --set-selections

上記を実行すると以下のようになる。

# dpkg --get-selections | grep linux-image
linux-image-4.10.0-28-generic                   install
linux-image-4.13.0-1-generic                    hold
linux-image-extra-4.10.0-28-generic             install
linux-image-extra-4.13.0-1-generic              install
linux-image-generic                             hold
linux-image-generic-hwe-16.04                   install

カーネルが更新されないようにしたら、apt updateとapt upgradeを行う。

DPIの設定

普通のインストールイメージではDPIの値が小さいため文字も見にくいが、このイメージなら大きめな値に設定されている。
GPD Winだと大きすぎるので設定で値を調整する。

  1. メニュー – Settings-Appearance を選ぶ。
  2. Fontsタブを選ぶ。
  3. DPIの項目で、Custom DPI setting:が196になっているので適当な値に変更する。

ウィンドウのボタン配置

好みによるが、Mac風のウィンドウボタン配列にしたいので変更する。

  1. メニュー – Settings-Window Manager を選ぶ。
  2. ThemeのリストはDefault-hdpiになっているが、好きなものを選ぶ。
  3. Button layoutのActive欄が、Menu-Title-Minimize-Maximize-Closeのように並んでいるので、適当にドラッグして、Close-Minimize-Maximize-Title-Menuのように並べる。

電源まわりの設定

ディスプレイが閉じられても画面がロックしないように設定する。

  1. メニュー – Settings – Power Manager を選ぶ。
  2. Generalタブを選ぶ。
  3. Laptop Lidの欄で、On batteryのリストをLock screenからSuspendに変更する。
  4. 同様に、Plugged inのリストをLock screenからSwitch off displayに変更する。
  5. Securityタブを選ぶ。
  6. Lock screen when system is going for sleepのチェックを外す。

キーボード関係の設定

Caps LockキーをCtrlキーにする

GPD Pocketでは、ただでさえ鬱陶しいCaps LockキーがAにくっついて、より誤入力しやすくなっている。定番のCtrlキーへ変えてしまう。

  1. メニュー – Settings – Session and Startup を選ぶ。
  2. Application Autostartタブを選ぶ。
  3. Addボタンを押す。
  4. Name欄に nocaps と入力する。
  5. Command欄に setxkbmap -option “ctrl:nocaps” と入力する。
  6. OKを押す。

次回起動時からCaps LockキーはCtrlキーとして扱われる。

Alt+Spaceの無効化

日本語入力はAlt+Spaceで切り換えたいが、元の設定ではウィンドウメニューが表示されてしまう。さっくりと無効化する。

  1. メニュー – Settings – Window Manager を選ぶ。
  2. Keyboard タブを選ぶ。
  3. Window operations menu の項目を選ぶ。
  4. Clearボタンを押す。

日本語入力の設定

Mozcでの日本語入力を行いたい。まずはfcitxを有効にする。

  1. まず、追加の言語パックをインストールする。
    sudo apt install language-pack-ja
  2. ここでいったん再起動しておく。(ログアウト・ログインでもいいかも)
  3. 入力メソッドの切り換えを行うために、メニュー – Settings – Language Supportを選ぶ。初回は「The language support is not installed completely」というダイアログが現れるのでInstallを選ぶ。
  4. Languageタブの、Keyboard input method systemがnoneになっているのを、fcitxに変更する。
  5. 再起動するか、ログアウトしてから再度ログインする。

次にMozcを設定する。

  1. メニューからSettings – Fcitx Configuration を選ぶ。
  2. Input Methodタブを選び、+ボタンを押す。
  3. Only Show Current Languageのチェックを外す。
  4. 下の入力欄にMozcと入力し、上のリストに現れたMozcを選んでOKを押す。
  5. Alt+Spaceで切り換えたいので、Global Configタブを選ぶ。
  6. Trigger Input Method のCtrl+Spaceボタンを押してから、Altを押しながらSpaceを押す。

適当に入力できるところでAlt+Spaceを押すと、Mozcに切り替わって日本語入力できるようになる。

FirefoxでのAltキーメニューを無効にする

Firefoxを使いながらAlt+Spaceで日本語入力しようとすると、Altに反応してFirefoxのメニューが表示されてしまう。
そこで、こちらの記事に従ってFirefoxのAltメニューを無効にする。

  1. Firefoxを起動し、アドレス入力欄に about:config と入力してEnterキーを押す。
  2. 警告が出るが、I accept the risk! を押して先に進む。
  3. 検索欄に ui.key.menu と入力する。
  4. ui.key.menuAccessKey の欄をダブルクリックし、元々入っていたValue(18)を消して0を入力し、OKを押す。
  5. ui.key.menuAccessKeyFocus の欄をダブルクリックしてValueを false に変える。