まえがき
前回の記事に引き続いて Windows 10 で kmodel 形式のモデルを作成するまでの環境構築を進める。
kmodel 形式のモデルを作るには、Keras で学習モデルを構築した後で TensorFlow Lite の形式に変換し、それを kmodel 形式に変換する必要がある。
この記事では、kmodel 形式への変換に必要なツールのインストール方法と、転移学習を行うための MobileNet.v1 のインストール方法について説明する。
Maix_Toolbox のインストール
以下のサイトにあるツールを用いて TensorFlow Lite 形式の学習モデルを、k210で利用できるフォーマットに変換する。
https://github.com/sipeed/Maix_Toolbox
インストールの手順に進む前に、関連するファイルを管理するフォルダを作成しておく。具体的には、ドキュメントフォルダ内に k210 という名前のフォルダを新規作成しておく。
作成した k210 フォルダに Maix_Toolbox をインストールする。そのために、スタートから「Anaconda Prompt (miniconda3)」を選んでコマンドプロンプトを表示し、以下を入力していく。
cd Documents mkdir k210 cd k210
miniconda3 の環境 k210 をアクティベートし、さきほどの github レポジトリをクローンする。
conda activate k210 git clone https://github.com/sipeed/Maix_Toolbox
Ubuntu であれば環境構築のスクリプトを実行すれば良いのだが、Windows 10 用のものはないので手動で環境を作っていく。
cd Maix_Toolbox mkdir images mkdir log mkdir ncc mkdir workspace cd ..
kmodel 形式への変換ツール(nncase)をインストールするため、以下のファイルをダウンロードする。
https://github.com/kendryte/nncase/releases/download/v0.1.0-rc5/ncc-win7-x86_64.zip
ダウンロードしたファイルを展開すると、2つのフォルダと多数のファイルが生成されるので、それらを先ほど作成した Max_Toolbox フォルダ内の ncc フォルダにコピーする。
結果として以下のようなフォルダー構成になる。
Maix_Toolbox ├─images ├─log ├─ncc │ ├─bin │ └─refs └─workspace
MobileNet.v1 のダウンロード
Keras で MobileNet を使った転移学習を行う際、k210 では提供されているものを利用することができない(らしい。試してないが)。そこで、以下のサイトで提供されている MobileNet を利用する。
(転移学習しない場合、以下の作業はしなくて良い)
https://github.com/AIWintermuteAI/transfer_learning_sipeed
以下のように git コマンドを使ってリポジトリをクローンする。なお、以下のコマンドを実行する際は、ドキュメントフォルダに作成した k210 フォルダにて行う。
git clone https://github.com/AIWintermuteAI/transfer_learning_sipeed