Windows 10 版のPharo で日本語のディレクトリ名を処理できない件

酔狂で面倒な VM のビルドをしたかった訳じゃない。Pharo を使って作成したアプリを展開するのに、表記のような問題があって困るので、VMの変更で対応したいと思ったから。

Pharo VM に関して困っているのは以下の2点である。

  • パスに日本語を含んでいるときにVMがイメージを認識してくれない。
  • 共有フォルダに格納したVMを起動できない。

どっちも「使わなきゃいいじゃない」レベルの話で個人ならいくらでも回避できるんだけど、アプリを展開したいと思っている先の環境なので致し方ない。

VM ソースを追っかけてみると、前者については以下が原因らしい。

  • VMの実行パスからイメージのパスを生成する際、UTF-8からUTF-16の変換をしている。
  • 素のWindows 10の場合、実行パスはShift-JISで表現されている。
  • なので正しく日本語を変換できずイメージファイルを見つけることができない。

後者についてはもっと根が深いみたい。→要追加調査

まずは前者に対応して見ようと思う。

(本日は休日出勤日なのでやる気なし)

(2022.8.1追記)
manifest を変更することで解決できることがわかった。後の記事を見よ。

Windows 10でPharo-vmをビルドする(後編)

前回の記事でビルドする手順を説明したが手抜きすぎたので、簡単なバッチファイルを作ってみた。賞味期限は非常に短いと思われるけど、cygwin のオプションをいろいろ調べたりしたので、その成果も兼ねて。

(2022.8.10追記)
もとの記事だと「FreeTypeライブラリがない」と怒られてしまったので、cygwin のパッケージにlibfreetype-devel を追加した。これに伴って link.txt の変更が不要になった。

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Windows 10でPharo-vmをビルドする(前編)

レポジトリには簡単にできそうに書いてあったけど、ビルドできるようにするまで大変だったので備忘としてメモ。

ポイントはcmakeのバージョンをできるだけ下げること。執筆時点でCygwinにインストールされるのは 3.23.2-1 だったけど、これでは不可解なエラーが発生して cmake が失敗する。

先のレポジトリでは最低でも3.7.2と書いてあったので、選択できる一番古いバージョン(3.17.3-2)に戻したら cmake が成功するようになった。

あと、Windowsの項目では「cmake .」するように書かれているけど、Linux/Mac OSと同じように親ディレクトリから「cmake -S pharo-vm -B build」した方が、いろいろ試しやすくてよかった。

レポジトリにある便利スクリプト(scripts\installCygwin.ps1)は必要なパッケージを自動的にインストールしてくれる。実際にはそれだけでは足りずエラーになった。ビルドには更に以下のパッケージが必要だった。(どうせsetupしなおすんだったら、スクリプトに書いてあるパッケージも含めて手動で入れた方が楽かも)

libssl-devel
libgit2-devel
libz4-devel

パッケージを追加するたびにCygwinのsetupが cmake を最新版にしようとするので、かならず Keep を選んでおくこと。

さて、buildディレクトリでmakeすると途中でエラーになる。freetype ライブラリをリンクする際に-lz が見つからないようだ。cmake のスクリプトを書き換えれば良いのだろうが場所が特定できなかった。(後でやる)

とりあえず build/freetype-build/CMakeFiles/freetype.dir/link.txt を直接編集して、-lz の前に -L/usr/lib を追記したら最後までビルドできた。

cmake は難しい。

M5StickV/M5UnitV の model.kmodel を Windows 10 で作成する(変換ツール導入編)

まえがき

前回の記事に引き続いて Windows 10 で kmodel 形式のモデルを作成するまでの環境構築を進める。

kmodel 形式のモデルを作るには、Keras で学習モデルを構築した後で TensorFlow Lite の形式に変換し、それを kmodel 形式に変換する必要がある。

この記事では、kmodel 形式への変換に必要なツールのインストール方法と、転移学習を行うための MobileNet.v1 のインストール方法について説明する。

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M5StickV/M5UnitV の model.kmodel を Windows 10 で作成する(miniconda3 導入編)

まえがき

エッジAIデバイスである M5StickV や M5UnitV を使って(自前で)画像分類を行う場合、kmodel 形式のモデルを用意する必要がある。このモデルの作成例は(エミュレータ上で動作させるものも含め) Ubuntu を使う場合が多いが、あえて Windows 10 環境で作成することを試みる。

この記事ではモデル作成に必要なツールのインストール手順について説明する。

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Travis CI で継続的インテグレーション

前回の記事でPharo のプロジェクトを github.com で公開する方法について説明した。

今回は、 Travis CI を使ってテストを自動実行させる方法について説明する。

前提

  • Travis のアカウントを持っていること。
  • github.com と連携済みであること。
  • 自分のプロジェクトにテストパッケージを作っていること。

【重要】パッケージを保存する

先に進む前に、Monticello などでパッケージが保存されていることを確認する。テストも含め、いつでもパッケージ内容を元に戻せる状態にしておく方が安全・安心。

設定ファイルを作る

Travis CI でテストを実行させるために、リポジトリに2つのテキストファイルを作成する。

1つめは、 .smalltalk.ston である。内容は以下のようなもの。

SmalltalkCISpec {
  #loading : [
    SCIMetacelloLoadSpec {
      #baseline : 'MyProject',
      #directory : 'src',
      #platforms : [ #pharo ]
    }
  ]
}

MyProject の箇所は適宜修正する必要がある。

2つめは、 .travis.yml である。

language: smalltalk
sudo: false
notifications:
  email:
    on_success: never
    on_failure: always
os:
  - linux
smalltalk:
  - Pharo32-8.0
  - Pharo64-8.0

変更する必要のある箇所は、osのところと、smalltalkのところ。osは、他に osx が指定できる。(きっとwindowsも。詳しくは Travis CI のドキュメントを参照のこと)

smalltalk にはテストしたいイメージのバージョンを書く。このあたりの情報は以下のサイトで確認できる。

https://github.com/hpi-swa/smalltalkCI

上記を適当なテキストエディタで作成して、ローカルレポジトリのフォルダに保存しておく。

Shellで作業する

ローカルレポジトリ内で行った修正作業は、Iceberg では Commit できないので、Shell でコミットとプッシュを行う必要がある。作成したファイルをadd したあと、適当なコメントで commit して push する。

% git add .smalltalk.ston .travis.yml
% git commit -a -m 'add travis ci settings'
% git push

プッシュが完了したら Travis CI が自動的にテストを始めるはず。

Pharo で作業する

Pharo の環境にもどり、Iceberg でレポジトリのエントリを右クリックして Fetch を選ぶと、Up to date だったステータスが赤色の Detached Working Copy になる。

再度、右クリックして、 Repair Repository を選ぶ。そこで、Discard image changes and load repository version を選ぶ。ここで、Monticello などに保存していないパッケージの変更があると全て失われてしまうので、必ず保存しておく。問題なければ OK を押す。

続く画面で Checkout を押してレポジトリの状態が Up to date に戻れば完了。これ以降は、Iceberg でもコミット&プッシュ後に Travis CI が自動的に動き出すようになる。

Pharo のプロジェクトを github に登録するまで

SqueakMap とか、SmalltalkHub とか、Smalltalk のプロジェクトを残す方法はいろいろあったけど、いまは github.com に残すのがナウい。

今年、立て続けに何個かプロジェクトを登録したけど、毎回忘れてしまうので備忘のために残しておく。

参考にしたサイトはこちら

前提

  • 自分の github アカウントが存在すること。
  • 登録するプロジェクトのパッケージが作ってあること。(この記事では MyProject とする)
  • travis でCIするなら、テスト用のパッケージも作っておく。(推奨、この記事では MyProject-Tests とする)

転ばぬ先の杖

何かのトラブルでせっかくのコードが失われないように、Monticello Browser でパッケージ(Testsパッケージも)を保存しておく。(方法は省略)

github.com での仕事

レポジトリの作成

github.com にログインして、新しいレポジトリを作る。

ギッハブで新たなレポジトリをつくる
  • Repository name は適当なものでよし。
  • Description は適当なものでよし。
  • 無料アカウントなので Public 一択。
  • Initialize this repository with a README はチェックを入れておく。
  • Add .gitignore では、Smalltalk を選ぶ。
  • Add a license では、適当なライセンスを選ぶ。(自分はいつも MIT License)
  • おわったら Create repository をクリックする。

レポジトリURLのコピー

出来上がったばかりのレポジトリが開かれたら、そのgithubアドレスをコピーする。

ギッハブのアドレスをコピーしておく

Code をクリックして、 Clone with SSH の下の欄の git@github.com: のテキストを全てコピーするか、その隣のアイコンをクリックする。

Pharo での仕事

Iceberg でローカルレポジトリを作る

Pharo を起動して Tools – Iceberg を選んで Iceberg を起動する。

Iceberg 画面

右上のAddをクリックする。

ギッハブのレポジトリを登録する
  • Clone remote repository を選ぶ。
  • Remote URL に、先ほどコピーしたgithubレポジトリのアドレスを貼り付ける。

このままOKを押すと、いま使っているイメージのあるフォルダの下にローカルレポジトリが作られる。PharoLauncher を使っていて、イメージごと削除するのがイヤな場合は、必要に応じて Local directory の場所を変えておく。

問題なければ OK を押す。

ローカルレポジトリに src フォルダを作成する

ソース群を格納するためのsrc フォルダを作る。

Iceberg で作成したばかりのレポジトリのエントリを右クリックし、Extra を選んで Inspect … をクリックする。

ローカルレポジトリにフォルダを作る

Inspector が現れたら Raw タブを押して、コードエリアに以下を入力して do it する。

(self location / 'src') ensureCreateDirectory
Smalltalkerは必要なければShellに降りない

特に問題が生じなければ、 Inspector を閉じて構わない。

Meta データを生成する

次にプロジェクトのメタデータを生成するために、再度レポジトリのエントリを右クリックして Repair repository を選ぶ。現れたダイアログで、Create project meta-data を選んで、OKを押すと、Edit Project のダイアログが現れる。

Code directory に先ほど作成した src フォルダが選ばれており、Format が Tonel になっていることを確認したら OK を押す。

BaselineOf パッケージを作る

パッケージの依存関係を明確にするために、BaselineOf クラスのサブクラスを作成する。作成したいパッケージが MyProject なら、以下のようにクラス定義する。

BaselineOf subclass: #BaselineOfMyProject
    instanceVariableNames: ''
    classVariableNames: ''
    package: 'BaselineOfMyProject'

必要なインスタンスメソッドは2つで、1つ目は projectClass メソッドである。

projectClass
^ MetacelloCypressBaselineProject

もう一つは baseline: メソッドである。必要なパッケージに応じて内容を適宜修正する必要がある。他のパッケージを参考に依存関係を示せばよい。

baseline: spec
  spec
    for: #common
    do: [ spec
            package: 'MyProject';
            package: 'MyProject-Tests'
            with: [ spec requires: #('MyProject') ] ]

パッケージを追加する

最後に関係する全てのパッケージを追加する。レポジトリのエントリをダブルクリックして Working copy of のダイアログを表示し、右上の Add Packages ボタンでパッケージ(本体、テスト、BaselineOf)を全てチェックし、Add で追加する。(図のようにパッケージ名を入力して絞り込んで置くとラク)

パッケージを登録する

Commit + Push する

Iceberg の作業もほぼ終わり。Commit ボタンを押してコミット内容を確認して適当なコメントを書いたら、再度右下の Commit ボタンでコミット完了し、Push ボタンで github にプッシュする。

なお、下図のように Push changes to origin/main をチェックしておけば、コミットと同時にプッシュが行われる。

以上で github.com にパッケージがアップロードされた。

パッケージの内容を変更したときは、同様に Commit + Push すれば、その都度 github.com の内容も更新されていく。